理解されないつらさが生み出す後遺症について

先日の事件以降

世の中がザワついていますね。

 

登戸の事件です。

 

私のサロンに来談される方は

事件を起こして自死した

51歳の男性への共感の思いを

口にされる方が多いです。

 

そして、彼の背景に対する

世の中の無理解への憤りを

感じておられる方も多いです。

 

まあ、そりゃそうでしょうね。

 

だから、私のところへ

カウンセリングに来るのだから。

 

被害者側に共感する方は

被害者支援のカウンセリングを

利用するでしょう。

 

では、考えてください。

 

あなたは

被害者ですか?

加害者ですか?

 

被害者と加害者。

 

この言葉を使った途端に

その人の在りようは

決められてしまいます。

 

生きている限り

すべての人間は

被害者で、加害者です。

 

世の中の人たちに

とても勘違いされていることがあります。

 

それは、被害者と加害者は

まったく同じだということ。

 

自分の被害者性を主張した瞬間

あなたは、誰かにとって加害者になります。

 

自分を加害者として意識した瞬間

そこに被害者が生まれます。

 

その状態すべてを

グリーフ」といいます。

 

深く重い悲しみの状態」のことです。

私のサロンに

アダルトチルドレンを訴えて

来談される方のほぼ8割は

DV家庭の出身です。

 

DVというのは、夫が妻を

殴ったり怒鳴ったり

警察沙汰になったりという状態を

想像するのが世間一般のDVへの認識です。

 

そして、DV被害にあっている女性を

「気の毒な人」と考えます。

 

でも、そうしたバイオレンスなDVは

全体の3割程度です。

 

では、残りは何か?というと

「配偶者からの人格否定や尊厳の軽視」です。

いわゆる「精神的な暴力」ですね。

 

あなたの両親が夫婦ゲンカばかりしていて

いつも母親がイラついていたのだとしたら

9割の確率でお母さんはお父さんから

精神的なDVを受けています。

 

DV家庭で育った子供は

常に不安定な心理環境にさらされます。

 

この状態を「面前DV」といいます。

 

面前DVは、れっきとした「虐待」です。

 

あなたは、自分の家庭を

普通の家庭だと思っていたかもしれません。

 

ちょっと世間より親が夫婦げんかが

多かっただけだと思っているかもしれません。

 

それは、違います。

 

DV被害にあった母親は

心理的に追い込まれています。

正常に冷静な育児などできません。

 

不安定な感情のまま

子供と向き合う時間が増えます。

 

それがあなたの記憶にある

いつもイライラしていて

情緒不安定だった不機嫌な母親の姿です。

 

母親が、そのつらさを解決するために

精神科などで薬をもらっていたとしたら

 

あなたは、統合失調症の母の子供と呼ばれたり

うつ病の母親の娘と思われていたでしょう。

 

DV被害者だった母親は

子供にとっては加害者になってしまいます。

面前DVや母親の不安定な感情という

子供にとって不幸せな環境を作ってしまうからです。

 

こうした環境のことを

「マルトリートメント」と呼びます。

 

「養育者による不適切な関わり」の環境のことです。

 

虐待と同様の被害環境が

マルトリートメント環境です。

 

これは、

家庭内にグリーフが存在する場合

たびたび生まれる環境です。

 

夫が生育歴の中に持つ

虐待被害からの後遺症が

妻には自分に対するDVとなり

 

妻は、それを夫がおかしいと感じて

自分をカサンドラ症候群だと思い込む。

 

家庭内にグリーフが居残ってしまうのは

家族の誰もケアを受けていないから。

 

だから、マルトリートメントが生まれます。

 

そして、子供は虐待と同様の

心の傷を負うことになります。

 

では、ここで

誰が加害者で、誰が被害者だと

ラベルを貼ることができるでしょうか?

 

この中で、この人が一番悪い!と

ののしれる人ってあるでしょうか?

 

家庭内で起きている問題の中で

加害者も被害者もないのです。

 

全員が、それぞれ

自分の立場で

悩み苦しんでいるのです。

 

ひどい奴には

その思考や言動が生まれた

理由や根拠があるのです。

 

あなたが、登戸で自死した男性を

悪人として罵り切ることに

どことなく違和感を感じるのと同じように。

 

他人は、状況証拠でしか

相手を判断しません。

 

その人を見てくれることはありません。

 

男性の自室には

集団殺人の本があったそうですが

 

私の部屋の書棚にも

秋葉原事件や少年Aの手記など

大量殺戮に及んだ人たちの

手記やルポルタージュはたくさんあります。

 

私が容疑者で警察に連れて行かれて

家宅捜索を受けたら

 

私は、閉鎖病棟の入院歴もあるし

うつ病で休職していた時期もあるし

育児放棄していた時期もあるし

未成年時期から喫煙をしていたし

 

「アイツなら、やりかねない」と

言われたって仕方ない状況に落とされます。

 

私が、いくら声を大にして

自分について語ったとしても

それは世間には通りません。

 

世の中は、自分を説明することには必死だけど

人の話に耳を傾けることはしないからです。

 

 

私が、グループカウンセリングやお話会を

繰り返し開催しているのには理由があります。

 

それは

人の話を聞く時間を持てない人には

自分が理解されたという納得が

永遠に得られないから」です。

 

自分の気持ちを理解して欲しいと

切望している人は

自分のつらさを伝えることに必死です。

 

そして、つらさの強弱への比較が

無意識に心の中に生まれます。

 

「アイツより、私の方がツライ!」

「あの程度で、ツライなんてバカじゃないの?」

「あの人の方が私より不幸だ、申し訳ない」

「この程度のことでツライなって言っていた自分が恥ずかしい」

 

自分の話を落ち着いて安心して

聞いてもらえた経験が少ない人は

永遠に、この「つらさ比べ」を繰り返します。

 

それは、とても不幸なことです。

 

グリーフ(深く思い悲しみ)というのは

その人個別の固有のものです。

 

たかがイジメくらいで。

ちょっと貧乏だったくらいで。

母親に愛されなかったくらいで何よ!私は母親がいないのよ!

 

その瞬間、あなたは相手にとって

加害者です。

 

被害者が、加害者になる、その瞬間です。

 

どうして、わかってくれないのよ!という叫びは

被害者の加害者性です。

 

では、どうしたら良いのでしょうか?

 

安心できる守られた場所で

安心して、人の話を聴くこと

その話を聴いたうえで

自分の苦しみについても話を聴いてもらうこと。

 

それは、傷の舐め合いなんて

薄っぺらいものではありません。

 

その状況を、そう感じるのなら

その人は、より多くのケアを受ける必要があります。

 

人の悲しみに触れることを許された

その信頼に安心して、感謝しながら

自分の心を語ること。

 

それが、グリーフケアであり、トラウマケアになります。

 

人の話を聴けない人ほど

「でもでも!」

「だってだって!」

「私の方が!」と

焦ってしまいます。

 

あなたが安心して

自分について語れる場所はありますか?

 

それが家族だったなら

あなたは、どんなに幸せだったことでしょう。

 

でも、家族はDVや虐待後遺症や

さまざまなグリーフを抱えていて

 

あなたの話を聴くことができず

自分のことで精一杯だったのなら

 

家族の心のケア、グリーフケア を考えながら

あなた自身も、家庭の外に

ケアを求めなければ

倒れ込んでしまうでしょう。

 

家庭の中、家族の中の

誰か一人がケアを受け始めた

その瞬間から

 

家の中の空気の流れが変わります。

 

あなたの中の

被害者と加害者を

そろそろ解放してあげてください。

 

話を聴くことは

理解されることへの

もっとも大きく開いた入り口です。

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